• 水と魚とユーザー中心デザイン

    ユーザー中心デザインに対する批判は止むことがありませんが、もしかしたらそこまで悪いものではないかもしれません。 よくユーザー中心デザインは制限が多いため、更にその先へ進まないといけないといった話を聞きます。もしくは、考慮しなければいけない全ての要素をカバーしていないので、単純に使いものにならないと言う人もいるでしょう。ジェレッド・スプールはユーザー中心デザインは全く役に立たないと言い切りましたし、ドナルド・ノーマンでさえユーザー中心デザインは害になる場合もあると話しています。 デザイナーがデザインプロセスを評価し、批判するのは正しいことでしょう。確かに方法論としてのユーザー中心デザインには多くの制限がありますし、このことは他の著名なデザイナーが言及しています。アクティビティ中心設計や自己中心設計も同じように、状況によっては正しいプロセスになり得るのです。 ただし、ユーザー中心デザインはただの方法論ではないということは忘れないでおいてください。ユーザー中心デザインは柔軟に変化する価値観の集まりです。「柔軟に変化する」と言っているのは、それがユーザー中心だからです。人々に使ってもらうためデ(続きを読む...)

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  • コンテンツライティングとは考えること

    コンテンツライティングとは難しいもので、他の人々に向かって書くときは完璧さへの期待、巧みな文法、そして漠然として不安のようなものが常につきまといます。小さなアイデアでも、それを言葉に書き出す時には、自分の内側を捻り出すようなことのように感じられます。 多くの人は、「でも自分はライターではないから関係無い」と思うでしょう。しかしライティングは何か特別なものではなく、もっと一般的な作業です。オンラインコミュニケーションのほとんどがテキストベースである現在では尚更でしょう。そして、あることについて書く時、人はいつもより賢くなります。例えば自分の仕事について何かを書くとしたら、よくある建て前のようなつまらないものは書かず、もっと内側の、本音の部分を書き出す必要に迫られるためです。 それは、もしうまく書ければ価値あるメッセージとなり、建て前で終われば雑音として残ります。 ライティングスキルは先天的なものではありません。多くの人はライティングは難しすぎると感じているようで、雑誌に寄稿したりブログを始めたいが、どこから始めたら良いかわからないと思っている人も多いようです。そのような人のために、この記(続きを読む...)

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  • Webサイトを評価する – ヒューリスティック評価

    「ヒューリスティック評価」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これはユーザー中心設計のユーザビリティ評価手法の1つで、経験則により導かれた評価基準に従ってアプリケーションのユーザビリティを評価する手法です。 「経験則」と言うと、その分野のプロでないと出来ないことのように聞こえますが、ここで言っているのは個人の経験ではなく、歴史の中で良いと証明されてきた基準をもとに評価を行なうという意味です。 もちろん、その分野で経験を積んだプロであれば、的確な評価が出来るようになりますが、「ヒューリスティック」という言葉に、「正しい答えではないが、ある程度のレベルで正解に近い答えを得ることが出来る方法」という意味が含まれるように、一定のレベルの評価基準があれば、誰でもこの評価手法を活用することが出来るのです。もともとはシステムやアプリケーションを評価するための手法でしたが、Webサイトの評価にも応用することが出来ます。 この記事では、そんな評価基準を紹介したいと思います。 ユーザビリティヒューリスティック まず、ジェイコブ・ニールセンの10のヒューリスティックです。これは個々のガイドラインという(続きを読む...)

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  • コンテンツもモバイルに

    モバイルの変化に追いつくのは大変です。企業はモバイル向けのコンテンツやサービスを作ろうと重い腰を上げ始めましたが、大半はまだモバイル戦略の必要性を調べ始めた段階でしかありません。しかしその間にもユーザーは、進化し続けるスマートフォンやタブレットを使って、タップ、ピンチ、ズームといった指の動きを駆使しながら、PC向けに作られたサイトを見続けているのです。 モバイルの動きの早さは、政府や公共サービスといった意外な場所でも見られます。オバマ大統領は、少なくても2つの連邦政府のサービスを、2013年中にモバイルデバイスで使えるように指示したといいます。 コンテンツをモバイル向けに最適化するという作業はデジタル政府戦略の一部で、アメリカ国民により良いサービスを提供するための先進的なプラットフォームの構築を目指しています。この戦略では、いかに政府のサービスを国民全体に効果的に、効率的に提供できるかという点について、様々な分野でアウトラインを定義していて、その中には政府機関がテクノロジーやリソースを効率良く共有するにはどうすれば良いか、またプライバシーやセキュリティをどのように維持するかといった内容(続きを読む...)

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