• コンテンツストラテジーはデータの哲学

    「コンテンツストラテジー」という言葉を知っているでしょうか? これは私の肩書きですが、私自身も説明に困ることがよくあります。多くの人はこれがどんな意味なのか知りませんし、さらに多くの人は間違って解釈をしたまま会話を続けるような、そんな言葉です。多くの人はコピーライティングと関係のあるものだと思うらしいのですが、実際は正解には程遠い答えです。 このように言われた時は、「コンテンツストラテジーをコピーライティングと呼ぶのは、情報アーキテクチャをデザインと呼ぶのと同じことだ」と答えることにしています。そしてその時はいつも、Webが普及し始めた時は「情報アーキテクチャ」という言葉も同じように、誰もその意味を知らないで使っていたのを思い出しています。 このコミュニケーションギャップで皮肉なところは、コンテンツストラテジーの一番の目的は「言葉とデータを使ってしっかりとしたコンテンツを作り、価値のあるインタラクティブな体験を提供すること」だという点にあります。私達はそのために、コミュニケーションのあらゆる側面について深く理解していなければいけないのです。 それでは、どうして「コンテンツストラテジー」(続きを読む...)

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  • 「いいね!」で命は救えない – UNICEFキャンペーン

    「いいね!」で命は救えない。 “Likes don’t save lives.” UNICEFスウェーデンの新しいCM「Likes don’t save lives」がMarshableの記事で紹介されています。このCMでは、スラムに住むラヒムという病気の男の子が、自分がいなくなったら誰が弟の面倒を見るのかと問いかける一方、UNICEFスウェーデンが17万いいね!を獲得し、夏には20万いいね!に到達するだろうから将来を心配していないと言う、「いいね!」ボタンの意味を問う辛辣な内容です。 一般企業を始め多くのNPO/NGOまでFacebookの「いいね!」を獲得しようとマーケティング施策やキャンペーンを実施している中で、UNICEFはその効果に疑問を投げかけ、「いいね!で命は救えない。命を救うのは寄付である。」と鋭いメッセージを投げかけています。 この「Likes don’t save lives」シリーズには他にもレストランでの食事を「いいね!」で払おうとする男の話や、セーターを「いいね!」で買おうとする話等があり、「いいね!(続きを読む...)

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  • デザインへの理解度を測る3つの「R」:Recognition、Recall、Recounting

    「それ、ユーザーに伝わりますか?」 マーケティングやデザインチームの人間は、ユーザーがWebサイトやデザインのキーコンセプトを理解できるかといったことを常に気にしています。新しい用語、使用条件、プライバシーポリシー、製品ごとに異なるモデル、値段、そしてサービスパッケージといったもの全てを、ユーザーは本当に理解できているのでしょうか? ユーザーが何を理解できたのかを知りたいと思った時、まず「このサービスプランの違いについて、理解できましたか?」などと質問するような人はいないでしょう。実際に、何かを「理解していない」とユーザーが認めることはほとんど無いため、商品やデザインに関する知識を評価するような質問を使って、ユーザーの理解度を測る必要があります。 そのために、今回はユーザビリティテストで使われる3つの能力を測るテクニック、「認識力(Recognition)」、「記憶力(Recall)」、「表現力(Recounting)」を紹介します。 認識力:Recognition 認識力は、あるものを他のものと区別する能力です。測り方は、複数の選択肢から正解を選ばせる方法が一般的です。もしユーザーが(続きを読む...)

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