• 読むタイポグラフィー

    まず、あなたが今何をしているか、考えてみてください。今この瞬間、何をしているでしょうか? 目が行間を動き、情報を脳に注ぎ込みながら、私が始めたこの会話に参加しているのだと思います。会話の伝達はあなたが読んでいるいる文字を通して行なわれますが、同時にあなたの経験や過去の会話といったフィルターにも通されています。あなたは文字を、文脈や背景の中で理解するのです。そしてあなたがどこで、どんな媒体で(紙やモバイルデバイス、デスクトップモニター等で)読んでいようと、その環境があなたの経験を形作ります。他の誰かが、同じ文章を同じ動作で読んだとしても、解釈される内容はあなたが読んだものとは必ず異なるのです。 あなたを媒体とした時間と場所の一連の反応、これがタイポグラフィーで一番面白いところです。テキストの意図は見せ方に依りますが、読むことによって意味を与えるにはあなたが必要なのです。 文字とタイポグラフィーは、私達が表現したり、情報を記録する必要が無ければ存在しなかったでしょう。もちろん発話や絵などでも同じ目的を達成できますが、文字は効率的で柔軟で、そして移植や翻訳が可能です。タイポグラフィーが単なる(続きを読む...)

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  • コンテンツライティングとは考えること

    コンテンツライティングとは難しいもので、他の人々に向かって書くときは完璧さへの期待、巧みな文法、そして漠然として不安のようなものが常につきまといます。小さなアイデアでも、それを言葉に書き出す時には、自分の内側を捻り出すようなことのように感じられます。 多くの人は、「でも自分はライターではないから関係無い」と思うでしょう。しかしライティングは何か特別なものではなく、もっと一般的な作業です。オンラインコミュニケーションのほとんどがテキストベースである現在では尚更でしょう。そして、あることについて書く時、人はいつもより賢くなります。例えば自分の仕事について何かを書くとしたら、よくある建て前のようなつまらないものは書かず、もっと内側の、本音の部分を書き出す必要に迫られるためです。 それは、もしうまく書ければ価値あるメッセージとなり、建て前で終われば雑音として残ります。 ライティングスキルは先天的なものではありません。多くの人はライティングは難しすぎると感じているようで、雑誌に寄稿したりブログを始めたいが、どこから始めたら良いかわからないと思っている人も多いようです。そのような人のために、この記(続きを読む...)

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  • コンテンツもモバイルに

    モバイルの変化に追いつくのは大変です。企業はモバイル向けのコンテンツやサービスを作ろうと重い腰を上げ始めましたが、大半はまだモバイル戦略の必要性を調べ始めた段階でしかありません。しかしその間にもユーザーは、進化し続けるスマートフォンやタブレットを使って、タップ、ピンチ、ズームといった指の動きを駆使しながら、PC向けに作られたサイトを見続けているのです。 モバイルの動きの早さは、政府や公共サービスといった意外な場所でも見られます。オバマ大統領は、少なくても2つの連邦政府のサービスを、2013年中にモバイルデバイスで使えるように指示したといいます。 コンテンツをモバイル向けに最適化するという作業はデジタル政府戦略の一部で、アメリカ国民により良いサービスを提供するための先進的なプラットフォームの構築を目指しています。この戦略では、いかに政府のサービスを国民全体に効果的に、効率的に提供できるかという点について、様々な分野でアウトラインを定義していて、その中には政府機関がテクノロジーやリソースを効率良く共有するにはどうすれば良いか、またプライバシーやセキュリティをどのように維持するかといった内容(続きを読む...)

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  • 言葉のデザイン

    デザインとコピーライティングの関係はこれまでに何度も話されてきました。いくら優れたコピーでも、そのビジュアルにオリジナリティが無かったり読みにくかったりしたら意味がありませんし、同じようにコンテンツがユーザーに届かないなら、いくら魅力的なページを作ってもユーザーの注意を惹くことはできません。コンテンツ中心の業界で働く私達は、このことを深く心に留めておくべきです。 しかしこれまで話題の中心になってきたことは、マイクロコピー(Webサイトの使い方などの小さなテキスト)やユーザーエクスペリエンスに関する些細な点に関してでした。これらの要素はもちろん必要不可欠ですが、この記事では視点を広げて、悪いコピーの裏にある本質的な間違いにフォーカスしてみたいと思います。 このトピックを選んだのには2つの理由があります。1つは、これを読んだライターがよくある間違いを犯さないようになってもらいたいから。そしてもう1つは、こちらの方が大切なのですが、コンテンツがユーザーエクスペリエンスの重要な要素だと主張したいからです。 以前、エリオット・ナッシュがデザイナーの責任についての記事を書きました。曰く、デザイナー(続きを読む...)

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