• コンテンツストラテジーはデータの哲学

    「コンテンツストラテジー」という言葉を知っているでしょうか? これは私の肩書きですが、私自身も説明に困ることがよくあります。多くの人はこれがどんな意味なのか知りませんし、さらに多くの人は間違って解釈をしたまま会話を続けるような、そんな言葉です。多くの人はコピーライティングと関係のあるものだと思うらしいのですが、実際は正解には程遠い答えです。 このように言われた時は、「コンテンツストラテジーをコピーライティングと呼ぶのは、情報アーキテクチャをデザインと呼ぶのと同じことだ」と答えることにしています。そしてその時はいつも、Webが普及し始めた時は「情報アーキテクチャ」という言葉も同じように、誰もその意味を知らないで使っていたのを思い出しています。 このコミュニケーションギャップで皮肉なところは、コンテンツストラテジーの一番の目的は「言葉とデータを使ってしっかりとしたコンテンツを作り、価値のあるインタラクティブな体験を提供すること」だという点にあります。私達はそのために、コミュニケーションのあらゆる側面について深く理解していなければいけないのです。 それでは、どうして「コンテンツストラテジー」(続きを読む...)

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  • コンテンツストラテジーと関連分野

    私達Webサイトを作る人間は、15年も前からユーザーエクスペリエンス、情報アーキテクチャ、コンテンツ管理システム、コーディング、メタデータ、ビジュアルデザイン、ユーザーリサーチといった、ユーザーが目的のコンテンツに到達できるようにするための知識を発展させてきました。 しかし、Webのメインディッシュとなる事柄については手付かずなまま。コンテンツ自体についての話はずっと放置されています。まぁそれはそうでしょう、と思う人もいるかもしれません。誰でもオンラインの読者に対してどのように記事を書けばいいかくらいわかりますし、リスト表示する方法だって知っています。 しかし、コンテンツにとって一番重要で、ライターにとっては一番怖い質問、「だから何?」や「誰がそんなの読むの?」といった質問に、誰が答えられるでしょう? 誰が時間のかかる、複雑で混乱したコンテンツ制作プロセスを改善しようとしてますか? 誰がケーブルを通して検索エンジンに表示されるコンテンツを監視しているのでしょうか? Webコミュニティとして、私達はどちらかと言えばコンテンツについて何も発言してきませんでした。実際、私達は暗黙の了解として(続きを読む...)

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  • ストーリーの作り方:言葉・認識・Web

    「ストーリー」は常に私達の周りにあり、社会や私達自身を理解する手助けをしてくれています。ストーリーは、物事を単なる情報の集まり以上のものとして伝えるので、私達が何かを知ったり覚えたりするときは、一連のストーリーとして学ぶのが一番良いとされています。しかし、「ストーリー」とは一体何なのでしょうか? 何が「ストーリー」を形作り、それがデジタル文化の中でどのような意味を持つのでしょうか? チャールズ・ディケンズに学ぶ チャールズ ディケンズはあらゆる面で「ソーシャルな」ストーリーテラーとして、Webのマスコットとすべき小説家でしょう。小説の筋道も社会的でしたし、そのフォーマットもソーシャルでした。というのも、ディケンズの小説のほとんどは雑誌の連載という形で、イラストと広告に囲まれ、ハードカバーの本よりはるかに安い値段で出版されていたのです。 ディケンズほど読者からのコメントにオープンで、読者の心をつかみ、メディアの進歩に関心のあったライターは他にいません。そのためディケンズからは多くのことを学ぶことができます。雑誌での掲載という形をとったことで、小説のストーリーは物理的に分断されてしまってい(続きを読む...)

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  • Tone and Voice: ユーザーへの関心を表現する

    「声」と「トーン」。「トーン」と「声」。どちらも同じような意味で使われることが多いですが、それぞれ異なった意味を持っています。声は人それぞれに違うもので、トーンは文章に人間味を持たせます。ブランディングでは、ユーザーに好まれる声を作るのはとても重要な要素ですが、それ以上に、一貫した声を保ちながらそのトーンに注意を向けることが、より意味のあるWebコンテンツを作り、ユーザーとより良い関係を築くのに大切なことです。 では、声とトーンの違いは何なのでしょうか? 人に例えると、企業の声とは、その人の性格で、企業に関する全てのコンテンツの中に根付いています。声はそれが「誰か」を表します。ブランドは通常時間をかけて成長していきますが、その声は一貫して同じものです。しかし、ブランドの「トーン」は変化します。声のトーンとは、その時の感情の表れそのものです。私達自身の声とトーンを考えてみると、私の声はいつも同じですが、トーンは友人や家族と話す時と、上司や顧客と話す時では全く違っています。 友人と冗談を言い合っているときはカジュアルなトーンですが、深刻な相談を受けたときは真剣なトーンを使います。私達は相手(続きを読む...)

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