コントラストを忘れずに

この記事はSusan Robertson著「Don’t Forget About Contrast」の抄訳です。
This article is a translation of "Don’t Forget About Contrast" By Susan Robertson.

数年前、仕事で支給されたラップトップと一緒に使うモニターを新しく買おうとしたことがありました。その時は自宅で仕事をしていたため、もし仕事を辞めたとしても使い続けられるように、自分で買おうと思ったのです。しかしあまりお金の余裕もなかったため、Apple Cinemaディスプレイに憧れながら、その金額を払う決心がつきませんでした。

そこで大きな家電量販店に入り、幅広いディスプレイ ラインアップを見ながら、サイズがちょうど良さそうなディスプレイを購入しました。それはLG製で、コードやブラウザ、開発ツールなど、仕事で使う諸々のウィンドウを納められる程度に良いモノのように思えました。実際それは仕事のニーズを十分に満たし、今でも私はそのモニターを使っています。

そしてそのモニターは意外にも、私たちのデザインで避けては通れない、大きな問題を見つけるのに役立ちました。私たちは最新のスクリーンを持っていないユーザーのために、十分なカラー コントラストを使っていなかったのです。私は、その箱から出したばかりで、何のキャリブレーションもしていないモニターで、普通の人がWebを見るようにサイトを見て回り、そして多くのサイトが十分なコントラストを使っていないのを見て驚きました。私たちはグレー (灰色) が大好きで、しかもそのグレーを微妙な色味にするのが好きなようです。

そういうわけで、もっと予算があれば買わなかったかもしれないモニターに、今はとても感謝しています。実際仕事をしている時も、デザイナーが使うDesign Cue (訳注:デザインの意図を伝えるために目立たせる要素) や色が弱いと指摘するようになりました。そのデザインを自分のラップトップ用のスクリーンに持ってくれば、色やコントラストの強さがよく見え、問題点を浮き上がらせてくれるのです。

今は自分で安いモニターを買わなくても、最新式とは無縁のモニターを備えた、古いデバイスでテストすることが出来ます。多くの都市ではオープン・デバイス・ラボという、デバイスを無料でテストできる場所がありますし、もしそのような場所が近くに無くても、古いデバイスを安くテストする方法は色々あります。ブラッド・フロストの素晴らしい記事が参考になるでしょう。ユーザーがいつも最新のハイエンド モニターやRatina ディスプレイで、私たちの作るサイトやアプリを使うわけではありません。そのため私たちには、私たちが作ったものを全てのユーザーが簡単に使えるよう、考慮する義務があると思うのです。

このような例として、私が病院で使われるアプリケーションを作った時、その小さなモニターで微妙な色の違いが表示できるのか?と考えずにはいられませんでした。多くの人が病院にあるモニターのような、微妙なコントラストが失われてしまうスクリーン用のアプリケーションを作ったことがあるでしょう。これは単に、私がスクリーンやモニターにどこまでの性能を期待するのか、気を付けなければいけないと考える例の1つで、似たような例は多くあると思います。

もし安いモニターが簡単に手に入らないなら、コントラストのようなアクセシビリティをチェックするための開発者ツールを使うことをお勧めします。Googleのアクセシビリティ・チームは、問題を見つけるための素晴らしいツールを開発してくれています。そのためもしChromeを使っているなら、accessibility auditを実行して、どこを変更すべきか見てみてください。ジェン・ルーカスのブログ記事に、Chrome Dev Toolsで色をテストする方法が説明されています。

このモニターは私にコントラストの問題を指摘し、色弱なユーザーが抱える問題を含めコントラストは深く検討すべき問題だと思い出させてくれています。色のコントラストは、デザインの中でも大きな役割を持ちます。そのためしっかりとテストし、性能の低いスクリーンでの見え方をチェックし、ツールを使ったアクセシビリティ テストを実施しましょう。そうすることで初めて、ユーザーはあなたのデザインの全てを見ることが出来るのです。

Translated with the permission of A List Apart and the author[s].